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カリスマだけじゃダメ?適応型リーダーシップの力

コラム一覧>チームが一丸となる!Hi-Hi型リーダーシップとは
「リーダーはカリスマ性が大事」…そう思っていませんか?実は、現代のリーダーに求められるのは“適応する力”です。本コラムでは、組織が本当に求めるリーダー像と、適応型リーダーシップを実践するための5つのステップを解説いたします。
このコラムは、株式会社IDEASS(イデアス)最上雄太監修するYoutubeチャンネル ライオン博士のリーダーシップアカデミーのアニメ動画と連動しています。ぜひこちらのYoutubeもご覧ください。
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適応型リーダーシップとは
適応型リーダーシップとは、変化と不確実性の中で、柔軟に対応しながらチームを導くリーダーのあり方です。
従来の「カリスマ的リーダーシップ」や「指示命令型リーダーシップ」とは異なり、適応型リーダーシップでは「課題を共に解決する姿勢」が求められます。
「ハーバード卒業生が最も影響をうけたリーダーシップ」で知られるこの理論を提唱したハイフェッツら(邦訳2017)は、リーダーの役割を「難題に取り組み、成功するように人々をまとめ上げ、動かしていくこと」と定義しました。
特に重要なのが、問題を「技術的問題」と「適応課題」に分類し、適応課題の解決に取り組むことです。
技術的問題とは、既存の知識やスキルで解決できる課題のこと。
例えば、新しいツールの導入や、業務フローの改善などが該当します。
一方、適応課題とは、既存の知識やスキルだけでは解決できず、価値観や行動の変革が必要な問題です。
例えば、組織文化の変革や、チームの心理的安全性の向上などが該当します。
適応型リーダーは、この適応課題に取り組むことで、チームを成長させ、組織の未来を切り拓いていくのです。
(出典)
Heifetz,R.A., M.Linsky and A.Grashow, 2009 The Practice of Adaptive Leadership, Harvard Business
Review Press. (水上雅人訳『最難関のリーダーシップ―変革をやり遂げる意志とスキル―』英
治出版, 2017 年)
【適応型リーダーシップの実践ステップ】
では、実際に適応型リーダーシップを発揮するには、どうすればいいのでしょうか?
ポイントは、次の5つのステップです。
【ステップ1:周囲の出来事を観察する】
適応課題を見つけるには、まず現場を冷静に観察することが重要です。
ここで意識したいのが、「バルコニーに上がる」という考え方。
バルコニーに上がるとは、現場から少し距離を取り、俯瞰的な視点で組織を見つめることです。問題解決を急ぐことでついついリーダー自身が問題にはまり込み、問題の本質がみえなくなってしまうものです。この心構えを持つことが、適応型リーダーシップのキモです。
【行動の具体例】
・朝の会議で発言が少ないメンバーの表情や態度に注目し、何か悩んでいないか個別に声をかける。
・チームのSlackやチャットのやりとりを見直し、意見交換が活発なテーマと停滞しているテーマを把握する。
【NG行動】
・「最近、みんな元気そうだし問題ない」と決めつけ、現場を観察せずに感覚で判断する。
・業務報告だけを見て「成果が出ているから大丈夫」と思い込み、メンバーのモチベーションを気にしない。
【ステップ2:課題を定義し、仮説を立てる】
観察の結果をもとに、技術的課題と適応課題を明確に区別します。特に適応課題については、メンバーの意見を積極的に取り入れ、多様な視点から仮説を立てます。この過程では、発言だけでなく、非言語的なサイン(表情や仕草)にも注目することが重要です。
【行動の具体例】
・メンバーが意見を言わない理由を探るため、1on1を実施し「どんなときに発言しづらい?」と質問する。
・「チームの士気が低いのは、成功体験の共有が不足しているからでは?」と仮説を立て、実験的に週1回の成功事例共有を始める。
【NG行動】
・「最近、発言が少ないのはやる気がないからだ」と決めつけ、強制的に意見を求める。
・問題があると感じたら即座に解決策を出し、「これが正しいからやってみよう」とメンバーの意見を聞かずに進める。
【ステップ3:小さな実験を行い、解決策を試す】
適応課題に対する解決策は、一度に大規模な変更を加えるのではなく、小規模な実験を通じて段階的に試すことが効果的です。こうした試行錯誤の中で得られるフィードバックを活用し、解決策を洗練させます。
【行動の具体例】
・チーム会議の進め方を変え、「意見を言いやすい雰囲気作り」として、発言しやすい小グループディスカッションを導入する。
・メンバーのアイデアを試しやすくするため、「試作プロジェクト枠」を作り、少人数で新しい取り組みをテストする。
【NG行動】
・「変化を起こすなら大規模にやるべき」と考え、一気に全社的なルール変更を提案し、現場の混乱を招く。
・試しもしないうちから「そんな方法はうまくいかない」と決めつけ、実験的な取り組みを却下する。
【ステップ4:フィードバックを活用して改善する】
実験の結果やメンバーからのフィードバックをもとに、解決策を柔軟に見直します。このプロセスを繰り返すことで、適応課題に対する実効性のあるアプローチが確立されます。
【行動の具体例】
・新しい取り組みの成果について、メンバーから「良かった点・改善点」をヒアリングし、次回のミーティングで反映する。
・「この施策はイマイチだった」と感じたら、自分の仮説を見直し、別の方法を柔軟に試してみる。
【NG行動】
・フィードバックを求める場を設けず、リーダーの独断で「今回のやり方が正解」と決めつけてしまう。
・思うような結果が出なかったときに「お前たちの努力が足りない」と部下を責める。
【ステップ5:メンバーを巻き込み、変革を推進する】
適応課題の解決には、メンバー全員の主体的な関与が欠かせません。リーダーは、チームが新しい価値観や行動を受け入れやすい環境を作り、変革の推進役として行動します。
【行動の具体例】
・変革の意義をチームに伝えるために、「この取り組みが成功すると、どんなメリットがあるか?」を具体的に説明する。
・「このプロジェクトのリーダーをやってみない?」と適切なメンバーに機会を提供し、主体的な関与を促す。
【NG行動】
・「変化が必要なのはわかるけど、みんなが慣れるまで待とう」と、リーダー自身が行動を起こさず、様子見を続ける。
・「結局、最終決定はリーダーがするから」とメンバーの意見を軽視し、トップダウンで物事を決める。
適応型リーダーシップを発揮するポイント5つのステップをご紹介しました。適応型リーダーは、変化を促進し、多様性を活かしながら、チーム全体を成功へと導く役割を担います。
まとめ
1.適応課題も取り組もう。
2.バルコニーに上がる、から始めよう
適応型リーダーシップは、リーダーとフォロワーが協働して課題解決に取り組むアプローチです。その中で、リーダーは変化を促進し、多様性を活用し、チーム全体を成功へと導く重要な役割を担います。
このような課題は
ありませんか?
- リーダーシップを発揮できるようなマインドを醸成したい
- 部下とのコミュニケーションを適切にし、チームのパフォーマンスを最大化したい
- 根本的な考え方や意識を変え、ハラスメントを減らしたい
- 個人のスキルは高いが、マネジメントは上手くいかない
- 主体的に課題を見つけ、対策に取り組む組織を創りたい
- マネジメント研修を受けても、組織や人が変わらない
これらの課題を
放置していると・・・
-
次世代リーダー候補は
個人のスキルは高いが、
ネジメントとしては1年目 -
根本的な考え方や意識を変えられず、部下とのコミュニケーションが上手くいかない
-
心理的安全性が低く、
コミュニケーションミスや
トラブルが多発 -
チームはバラバラになり、
働きやすい雰囲気とは
遥かに遠い
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