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【Youtube連動コラム#4】ビッグ5ってなに?

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ビッグ5ってなに?

「優れたリーダーとはどんなリーダーか?」この問いは、リーダーシップ研究の中で長年にわたって議論されてきました。様々な研究が行われる中で、リーダーシップにおいて重要な特性を特定するための枠組みとして「ビッグ5性格特性モデル」(以後ビッグ5)があります。このモデルは、効果的なリーダーシップを発揮するために重要な特性を5つに分類し、リーダーシップを発揮するための指針として活用されます。

このコラムは、株式会社IDEASS(イデアス)最上雄太監修するYoutubeチャンネル ライオン博士のリーダーシップアカデミー『サーバント・リーダーシップってなに?』と連動しています。ぜひこちらのYoutubeもご覧ください。

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ビッグ5の分類

「ビッグ5」とは、リーダーに求められる特性を以下の5つに分類したモデルです※。

1. 発信力
2. 感情調整力
3. 革新力
4. 遂行力
5. 共感力

※なお、5つの特性の呼称(〇〇力)は、当コラム向けに筆者が変更しています。

これらの特性は、リーダーが自己理解と他者理解を深め、より効果的なリーダーシップを発揮するための基盤となります。

ビッグ5とリーダーシップの関係

2002年に研究者ジャッジ(Judge)らが発表した論文『Personality and leadership』によれば、「ビッグ5」とリーダーシップには強い関連性があることが示されています。この研究は、特定の性格特性を持つリーダーが、より効果的なリーダーシップを発揮する傾向があることを明らかにしました。リーダーが「ビッグ5」を理解し活用することで、自己理解と他者理解を深めることができ、リーダーシップの向上につながります。

出典:Judge, T. A., Bono, J. E., Ilies, R., & Gerhardt, M. W. (2002). Personality and leadership: a qualitative and quantitative review. Journal of applied psychology87(4), 765.

ビッグ5の特性とリーダーシップ

次に、ビッグ5の各特性がリーダーシップにどのように関わるのか、アップルの創業者スティーブ・ジョブズのよく知られるエピソードを例に解説します。

1. 発信力

発信力が高いリーダーは、エネルギッシュで行動力があり、他人と積極的に関わります。スティーブ・ジョブズはその典型で「いくら素晴らしいものをつくっても、伝えなければ、ないのと同じ」という言葉は有名です。会議やプレゼンテーションで自らの意思を強く伝え、チームを引っ張りました。しかし、過度の発信力は他者の意見を軽視し、自己中心的になるリスクもあるため、注意が必要です。発信力は人を鼓舞し、リーダーシップの推進力となる反面、リーダーが一方的になるとチーム全体の意見が無視される危険性があります。

2. 感情調整力

感情調整力は、感情を制御し、冷静に意思決定を行う力です。ジョブズは感情的かつ執着心の強いリーダーとして知られており、実のところこの特性が低いことを示唆しています。強い感情は、目標達成のための推進力となりますが、他者とのコミュニケーションには障害をもたらすことがあります。感情調整力の低いリーダーは、時に周囲を混乱させることもあるため、冷静さを保つための努力が求められます。

3. 革新力

革新力が高いリーダーは、新しいアイデアや経験に柔軟で、創造的な思考を持ちます。ジョブズは、新しいマーケティング戦略や製品デザインを提案し、イノベーションを推進するリーダーとして評価されています。しかし、過度の革新力は、実現不可能なアイデアに固執し、現実的な判断を妨げることがあります。リーダーは創造的な発想を尊重しつつも、現実とのバランスを保つことが求められます。

4. 遂行力

遂行力が高いリーダーは、誰もができないと思うことでも出来るとと信じ、愚直にやり遂げようとするマインドを持つ傾向があります。ジョブズの有名な言葉「Stay foolish」に象徴される自分の心に従おうとする姿勢は、彼の遂行力の表れです。しかし、過度の遂行力の発揮は、柔軟性を欠くことがあり、状況に応じた適応力も必要です。遂行力が高すぎると、他者との協働が難しくなり、リーダーシップの限界を招くこともあります。

5. 共感力

共感力が高いリーダーは、他者に対して協力的で、チーム内の調和を保つ力を持ちます。ジョブズは、自分の意見を優先しがちで、共感力が高いとは言えませんが、共感力の高いリーダーは、円滑なコミュニケーションを促進します。しかし、共感力が過剰になると、リーダーとしての意思決定が曖昧になるリスクもあります。リーダーは他者の意見を尊重しつつも、自分の判断を明確に示すことが重要です。

ビッグ5を知ることの効果

自己理解の向上

ビッグ5を理解することで、自分自身の性格特性を客観的に評価でき、強みと弱みを明確にすることができます。発信力が高いリーダーは社交性を活かしてチームを鼓舞し、一方で情緒不安定性が高いリーダーはストレス管理法を学び、冷静さを保つことでバランスを取ることができます。この自己理解は、リーダーが自分の強みを最大限に活かし、弱点を補完するための重要なステップです。

他者理解の向上

ビッグ5は、チームメンバーや部下の性格特性を理解するためにも役立ちます。各メンバーの特性に応じたアプローチを取ることで、コミュニケーションが円滑になり、信頼関係が深まります。例えば、遂行力の高いメンバーには明確な目標設定を行い、共感力の高いメンバーには協力的な環境を提供することで、個々のパフォーマンスを最大化できます。他者理解を深めることで、リーダーはチーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。

まとめ

ビッグ5は、リーダーシップを効果的に発揮するための視点を提供します。リーダーシップを発揮するためには、自身の特性を深く理解し、バランスを取ることが不可欠です。ビッグ5の枠組みを活用し、自分と部下を理解することで、より良いリーダーシップを実現できるでしょう。リーダーはこのモデルを通じて、自己と他者の理解を深め、リーダーシップをより効果的に発揮することが期待されます。

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