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【Youtube連動コラム#3】サーバント・リーダーシップってなに?

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サーバントリーダーシップってなに?

サーバントリーダーシップは、従来のリーダーシップスタイルとは一線を画す、新しいリーダーシップの考え方として注目されています。サーバント(servant)とは、直訳すると「使用人」や「召使い」という意味ですが、サーバントリーダーシップでは、「リーダーの役割はフォロワーに尽くすこと」が重要視されます。

このコラムは、株式会社IDEASS(イデアス)最上雄太監修するYoutubeチャンネル ライオン博士のリーダーシップアカデミー『サーバント・リーダーシップってなに?』と連動しています。ぜひこちらのYoutubeもご覧ください。

部下の信頼を得る!7つのサーバントアプローチ #3

提唱者ロバート・グリーンリーフの考え

この考え方を提唱したロバート・グリーンリーフは、1970年に発表された著書『The Servant as Leader』で、サーバントリーダーのモデルとなるリーダー像を次のように説明しています。

「フォロワーを最もよく動かすことができるリーダーは、自分自身の欲求を満たすことに重点を置かず、フォロワーの欲求を満たすことに最も重点を置く人である」

出典:Greenleaf, R. K. 1970. The servant as leader. Newton CentreMA: The Robert K. Greenleaf Center. 

これからわかるように、サーバントリーダーはフォロワーに関心を持ち、フォロワーに対して奉仕するマインドを持っているリーダーです。

サーバントリーダー vs. 指揮統制型リーダー

サーバントリーダーは、トップダウンのアプローチで命令と指示を与える「指揮統制型リーダー」と対極に位置付けられます。指揮統制型リーダーシップは、迅速な意思決定や明確な方向性を提供する点では有効ですが、部下の創造性や自主性を抑制する可能性があります。また、部下にプレッシャーを与えることで一時的に従わせることができても、長期的にはモチベーションや信頼関係に悪影響を及ぼします。

一方、サーバントリーダーは部下に仕えることを最優先し、特に部下の話に耳を傾けることを重視します。サーバントリーダーは、部下の成長や幸福を促進し、彼らの自主性を尊重することで信頼関係を築きます。このアプローチにより、部下が自己発展し、積極的に組織の目標達成に向かうための環境が作り出されます。結果的に、組織全体がより良いサイクルで自走するようになり、持続的な成功を収めることができます。

サーバントリーダーシップが注目される理由

近年、サーバントリーダーシップが注目される主な理由は以下の3点です。


1. 企業不祥事の増加

エンロンやオリンパス、三菱自動車などの企業不祥事を受け、リーダー層の倫理観・道徳観の欠如が問題視されるようになりました。

2. ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した経営

ESGやコンプライアンス(法令遵守)が強く求められるようになったことです。

3. 従業員のエンゲージメントと生産性向上

現代の職場では、競争力維持と人材確保に向けて従業員のエンゲージメントと生産性向上が求められています。

これらの背景から、企業や組織がサーバントリーダー育成に取り組むことで期待できる改善点は以下の通りです。

1. 持続的な成功

成果主義の組織では、短期的な目標達成に固執しがちですが、サーバントリーダーシップは部下の成長と幸福を促進し、持続的な成功を目指す組織づくりに貢献します。

2. イノベーションの促進

サーバントリーダーシップが奨励される組織では、部下のアイデアを積極的に取り入れることで、革新的なアイデアが生まれやすい環境が作られます。

3. 高い信頼関係の構築

サーバントリーダーシップが導入されることで、部下との信頼関係が築かれ、従業員のエンゲージメントが向上し、生産性も向上します。

4. 社員の成長とキャリア開発

部下の成長と成功を支援し、キャリア開発に注力することで、離職率を低減し、優秀な人材を維持することが期待できます。

5. エンゲージメントと満足度の向上

部下のニーズを最優先し、サポートすることで、部下の満足度とエンゲージメントが向上します。

6. 倫理的で公正な職場環境の確立

シェアド・リーダーシップの考えが浸透することで、倫理的に行動し、公正で誠実な対応を心がけることで、公正な職場環境を確立することが期待できます。

サーバントリーダー「7つの行動」

サーバントリーダーシップの研究者であるリデンらは、2008年の研究でサーバントリーダーシップに関わる精緻な実証研究を行い、サーバントリーダーの「7つの行動」を示しました。

出典:Liden, R. C., Wayne, S. J., Zhao, H., & Henderson, D. (2008). Servant leadership: Development of a multidimensional measure and multi-level assessment. The leadership quarterly19(2), 161-177.

感情的な癒し(Emotional Healing)

部下の個人的な関心事に感受性を示し、彼らのストレスや悩みに耳を傾け、メンタルヘルスのサポートを提供します。部下の体調や気分の変化に気を配り、非公式な交流機会を増やし、リラックスした環境で話す機会を設けることが効果的です。

コミュニティへの貢献(Creating Value for the Community)

地域社会への価値の創造を意識し、社会貢献活動やボランティア活動に参加します。地域の課題解決に向けたアイデアを部下と共有し、共同で取り組む機会を設けることが重要です。

概念化スキル(Conceptual Skills)

組織や目の前の仕事に関する知識を持ち、部下を効果的に支援します。組織のビジョンや戦略を部下に伝え、彼らがその理解を基に行動できるようにサポートします。部下の意見を聞く姿勢も重要です。

エンパワーメント(Empowering)

部下に意思決定の権限を委譲し、自主性を持たせます。部下の失敗を過度に批判せず、責任を押し付けないようにし、自由な発想と行動を尊重します。

部下の成長と成功を支援する(Helping Subordinates Grow and Succeed)

支援と指導を提供し、部下のキャリアアップと成長を心から気遣います。部下のトレーニングや研修の機会を提供し、メンターとしての役割を果たします。部下の成長をサポートするために、新しい挑戦から逃げないように導きます。

部下を第一に考える(Putting Subordinates First)

部下の仕事のニーズを最優先に考え、彼らの問題解決を支援します。部下の問題や悩みに迅速に対応し、必要なリソースを提供します。明確な目標設定と優先順位付けを行い、ワークライフバランスを尊重します。

倫理的に行動する(Behaving Ethically)

部下と率直、公正、誠実に接し、一貫性のある態度を保ちます。部下が困っている時にすぐに対応し、問題解決に協力します。信頼関係を築くために、誠実なフィードバックを提供し、常にオープンで率直な対話を促進します。

感情に寄り添うリーダー

サーバントリーダーの「7つの行動」を日常的に実践することで、指揮統制型リーダーシップとは大きく異なるアプローチが取れます。特に、部下の感情に配慮し、理解しようとする姿勢は、従来のリーダーシップにはない特徴です。

従来型の成果を重視する指揮統制型リーダーは、部下の感情面のケアよりも業務の遂行に重点を置きます。しかし、サーバントリーダーは部下がストレスを抱えていると感じた時に話を聞き、メンタルヘルスのサポートを提供します。部下の感情に関心を向け、ケアを心がけることで、部下は自分の感情を理解してもらえていると感じ、安心して自分の考えを持ち、主体的に行動するようになります。

まとめ

サーバントリーダーシップとは、フォロワーに対し奉仕するマインドを持つリーダーシップの形です。感情に寄り添い、部下の成長と幸福を促進することで、信頼関係を築き、部下が安心して自分の考えを持ち、主体的に行動できる環境を作り出します。これにより、組織全体が持続的な成功を収め、イノベーションが促進され、高い信頼関係が築かれます。

サーバントリーダーシップの考え方を取り入れることで、あなたのチームも大きく変わるかもしれません。リーダーシップの新しい形として、ぜひ試してみてください。

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